蛇の抜け殻もそのうち動き出すのか
ぼくはそう、ぬけがらになってしまったよ……
抜け殻がしゃべるか!
がわだけやぞ。内臓がないぞう状態やぞ。
と比喩に突っ込むは野暮であるが、自分が抜け殻だとするならば、成長した別の自分がいるということではないだろうか。
脱皮した時、確かにそこに抜け殻がある。
つまり、
自分は抜け殻である。
と思った時、貴方は分身しているのだ(え)
抜け殻のあなたがいるとき、脱ぎ捨てた貴方がまた存在している。
抜け殻となった以上、抜けていった新しい何かがいる。
ど、ドッペルゲンガーとはまさか……
まさかじゃねぇよ
……抜け殻のような人が復帰した時って、融合になるんだろうか。
抜け殻の状態になって、出ていった中身がフェーーードイィィン! したら、それは元通りと呼べるのだろうか。
それは抜け殻から戻ったというよりは、抜け殻から着られる皮になったみたいな感じじゃないだろうか。ぎゅうぎゅうになるんと違うか。
剥がれる化けの皮になった俺の気持ちを! お前は!
みたいなノリの存在になったというのか。
化けるための皮がはがれると、つまりまたもう1人の自分が増える?
どっぺるどっぺるげんげんがー?
ゆるきゃらかなにかかな。
人間は分身する生き物だった?
つまり、人類総忍者?
火遁!(マッチ)
スイトン(小麦粉)
ドトン(あ、あなたはおれの……おとん?)
うん。
忍者は俺には無理だし、分身もできやしねぇ。
大体ドッペルゲンガーって自分が見たらダメな奴だから増えようはないよね。
自分自身とさえ意思疎通できそうにねぇや。
というかドッペルゲンガーの話はしていない。抜け殻の話だよ。
あー! ドッペルのせいで話がずれてしまいました!
俺のせいじゃ……俺か。
抜けていった俺 いず 本体。
抜け殻の俺 いず すけーぷごーと。
こうですか。わかりません。
わかりません……
俺の言葉なんて、ぬけがらみてぇだ……まるで中身がない……
はっ! つまり脱皮して成長した文章がどこかにいるはずなんだよ。
さがせ! 中身の全てをそこにおいてきた!
違うか。
違うな。